を読んでみた。ブックオフで1冊100円。1983年9月1日にサハリン上空で大韓航空機が撃墜された事件を扱う。文庫本で3冊1200ページ程度にもなるけど、一度読んでみたかった作品でので買ってきた。
当時の国際関係、大韓航空機の領空侵犯の謎、日本の対応など、複数の視点から書かれており読み応えがある。日本の防衛機密が、あっさり米国に流出していた事実も。民衆の感情としては、撃墜したソ連に対し、強い制裁を実施すべきだと思うけど、それでは国家間の対立を深めるだけで、問題を「一過性」に落ち着かせることが大切だと書かれており、まさにそうだと思った。
航路を逸脱した原因だけでなく、ソ連と日米の政治駆け引き、国連での日本の活動などの記載が充実している長い作品だが、269名もの乗員乗客が亡くなる惨事を、一度知っておくといいだろう。